目指せ、自転車星人!

何歳までも自転車生活

福島県脱出記1

福島県大熊町福島第一原発所在地)に宿泊し、福島県浪江町南相馬市の南側隣接)で仕事していました。

昼過ぎまでに2件の訪問を終え、3件目のお宅に上がって数分後、地震を感じました。最初の2分くらい家の中で様子を見ましたが、掃き出し戸を開けて押さえていたお客様が「外に出て」と言うので、靴下のまま急いで庭に降りました。直後立っていられない揺れがきました。家屋から3mくらい離れて地面にはいつくばって耐えていると、周りの古い家はみるみる倒壊し、新しい家からも瓦がばんばん飛び交うという光景。お客様の家は瓦のないつくりで幸いでした。地震が収まってから聞くとお客様は現役消防士だとのこと。遠くでサイレンが鳴り、緊急招集だからと作業キャンセル、足の踏み場のなくなった家に上がり、玄関で倒れた下駄箱などを押し退け自分の靴を発掘し、開けかけていた荷物をとにかく箱に納めてお客様宅を後にしました。

行きに一旦停まって道を確かめた公民館脇の神社は倒壊。鳥居もバラバラです。地震の11分後に撮影。


携帯電話が輻輳状態でつながらないので、とりあえず次のお客様の家まで行ってみることにしました。
道路状況がわからないのですぐに移動するのは自重し、脱出経路を徒歩で確認。
途中全壊している家が多く、できる範囲で声をかけて回りました。

あるお宅では半壊した家の奥にとどまっている人を呼んで、外に出てもらいました。
裸足で途方に暮れているおばあさんが居たので、余震の合間をぬって靴と椅子をとってきてあげました。
この日最初にお邪魔したお客様宅が近くだったので寄ってみましたが、午後は仕事に出るとのことでお留守。
2kmくらい歩き回り脱出路が確認できたので、出発。

10cmくらいずれた橋をいくつか渡り16時ちょうどにたどり着きましたが、4件目のお客様は避難したのかお留守でした。覗くと家の中はめちゃめちゃ。不在票を投函して後日の対応をお願いしました。
この分では翌日の仕事も無理そう。相変わらず携帯は使い物にならないので、一旦被災エリアを離れて東京の本部に報告することにしました。(つづく)