目指せ、自転車星人!

何歳までも自転車生活

222BRM埼玉200km(2/3)

この45.3km地点のコンビニには以前のレースで知り合い、スタート前にもあいさつした東京のグループが見えた。そこに自転車を停めて情報交換。
今日のコースはこれからもかなり登りがあるらしい。でもさっきの定峯峠を越えられたので気持ちは軽い。復路、定峯峠は通らないが日没まぎわに最初の松郷峠を逆から越えないとならないそうだ。真っ暗の下りはいやだなぁ。「できれば明るいうちに帰ってきたいですね。」と希望的観測を述べ、タイムスタンプを兼ねたレシートを入手するため買い物。
いつも指をくわえて見ていたアーモンドケーキ105円也を購入。レシートはマップケースではなくジャケットのジッパーのついたポケットに大切にしまう。ここはクルマのカギしか入れていないポケットだから開けない限り落とすことがない。
アーモンドケーキはスカスカであまりおいしくなかった。牛乳か温かいお茶といただきたい感じ。同じくアーモンド粉のたくさん入ったフィナンシェのような食感を期待したが安いだけのことはあった。
全員男性のこのグループといっしょに走るとつぶれてしまうので、マイペースで行くからと別々に再スタート。すぐに登り。小さい丘越え。下ると登り。市町村境の峠をいくつも越える。秩父山系沿いをずっと群馬までたどるんだから登りが多くて当たり前よね、と自分に言い聞かせながら走る。またひとつ峠を越えてついに群馬県に入った。

さっきの二人組といっしょになった。この人たちとは脚が合うのでいっしょに走ることにしてついていく。しかし、78.5km地点の左折がわからなくなってしまった。「ここだよね」と決めて私が先行する形でいっしょに曲がった。しかし次の目標の学校が見つからない。正しいルートに乗れると思える方向に走っていったら、だいぶ前に通ったところに出てしまった。
しかも後続の参加者は、私の考えてるのとは反対方向に走っていく。迷っているうちに180度方向感覚が狂ってしまったようだ。
よし、ここから走り直せばもう間違わないからと、気を取り直していく。30分くらい損したかも…でもチェックポイント時間の勘違いが正しかったらもう終わっていたんだから、走り続けられるのは幸せ。第二チェックポイント112.4km地点の締め切り時間は午後1時58分だからまだまだ余裕があるし。
さっき曲がったところのすぐ先に正しい左折地点が見つかり元気を出して走る。コマ図を見ると真っ赤。ここは間違いやすいと注意されていた場所だったんだ。
ほっとすると同時に後輪の挙動が不安定なのが感じられた。先日ローラー台で空気が抜け、自分で修理したタイヤとチューブだ。タイヤは4シーズン目。信頼性がかなり落ちている。ほどなく私の後タイヤはぐにゃぐにゃになり、走行不能になった。

大きな右折地点の幅の広い歩道に停まり、二人組を見送る。振り返ってついて来ない私を心配してくれているようだったが、私の脚と同程度の彼らのペースでは安泰とはいえないし、彼らにも別なトラブルが発生するかもしれない。先に行ってと合図し、一人でチューブ交換にとりかかる。
ここまで来る間にも修理をしている人を何人も見かけた。パンクしたのは私だけじゃないからと自分を落ち着かせる。
もう陽が高くなり暑いのでヘルメットを外し、ジャケットを脱いで裏返した。後輪を外し逆さに立てた自転車のサドルに敷く。タイヤレバーでタイヤをリムから浮かせ、空気の抜けたチューブを取り出した。ポンプで膨らましどこがパンク箇所か調べようとしたが、空気があまりにもすぐに抜けてしまいわからない。タイヤ側を調べるも、大きな傷や刺さった破片は見当たらない。予備チューブは二本あるので、とりあえず新品のチューブに交換し空気を入れた。小さなポンプだから何十回もポンピングしないと走れるようにならない。ブルベのときは重くても容量の大きな携帯ポンプがいいかなぁ、と考える。でもこの軽さ(55g)も捨てがたいよ。
10分ほどで再スタート。このくらいのロスは想定済みだが、さっきのミスコースと合わせて40分失ったか。この先休憩はあまり長く取れないな、と走りながら考える。

しばらく平坦が続いたが、折返点の手前15kmくらいで正午を回った。ももの外側が痛く力がでない。いよいよアーモンドケーキとCCDのエネルギーが切れたみたいだ。
折返点のコンビニには先行の人たちが買い尽くしてしまって何も食べ物がないかもしれないから、ここで昼食を摂っちゃおうと、ちょうどさしかかったコンビニに飛び込んだ。いつもカロリーを確認しては我慢していたデミソースのオムライスをひっつかみ、温めてもらって外で食べた。1リットルの水も買い、クエン酸─を作る。もう一本のボトルは真水のまま携行する。さっきチューブ交換をしたとき手が汚れたのを洗えなくて困ったから。
15分くらいで折返点に向けてスタート。やはり食べると元気が出る。しかもずっと食べたかったオムライスで元気百倍。折返点手前6kmからの激坂はダンシングを交えなんなくこなし、折返点の第二チェックポイントに到着。制限時間には50分ほどの余裕があったが、後輪に不安があるので有人チェックのサインをブルベカードにもらい、すぐ出発した。
同じ道を戻るというのは少々テンションが下がる。下りだったところは登らなければならないわけだし。でもまだまだ遅いけど自転車人生で初めてといっていいくらい今日は登りが苦にならない。「減量前だったら絶対ここまで来られなかったと断言できる往路をクリアしたじゃないか。だいたい戻りは下り基調だし、今日は風もあまり強くない。この好条件をモノにしなければ情けないぞ」と、自分に喝を入れる。