目指せ、自転車星人!

何歳までも自転車生活

アタック会津4 600kmブルベ

コンビニを出たのは0610。心拍計の記録をスタート。夕べの雨で路面は湿っているがさわやかな朝だ。タイムアウトは23時。

今日はこの地区の清掃活動日のようだ。地域の方が朝6時台というのに大勢出て地区ごとにごみ拾いをしている。こちらは遊びだ。危険のないようスピードを控えめにし、おはようございます、とあいさつしていく。
広域農道に入った。ビーフラインのように地形のままの起伏がある。新しい道だからクルマのパワーを前提にした設計だ。昔の道なら人が歩きやすいようこんな作りにはならない。オロナミンの元気とビーフラインに似た景色で盛り上がり、どんどん踏んで行ってしまう。霧雨が降ってきた。まだ大丈夫。ジャージのまま進む。
378.7km地点で右に曲がり、羽鳥湖・鳳坂峠822mへの登りが始まった。今日はこれと、昨日も走った山王峠の登りが大きい2つだそうだ。ただしこの先、部分的に12%がある。近所のダムで11%の登りは練習しているから大丈夫と思ったが、さしかかってみるとつらい。霧雨も降ってきた。停まってウィンドブレーカーを着たが、登りでまた滝の汗。ここまでの380kmの疲れと右ひざの痛み。36×27Tでも蛇行が入りそうになる。500mくらい続くその12%区間の途中で一回足をついた。ブレーキが片利きになってないか点検。大丈夫。まあ登れるから押す必要はない。クルマが来ないのを見計らって道を横切るようにバイクを漕ぎ出し、ペダルにビンディングした。それからしばらく苦しい直登。ひざが痛いのであまりダンシングはしたくない。がんばってシッティングのままクリアした。そこからつづらを何回か折り返し、峠の頂上を越えることができた。下りは快適。けっこう楽しく踏んで下りきり、残り少なくなった飲み物を補充する。晴れたのでウィンドブレーカーはリアバッグへ。そしてすぐの409km地点でR121に出た。出たところのコンビニで休憩。ひざが痛いのでもっとエネルギーを補給した方がいいかもしれない。ウィダーインゼリー・エネルギーインを3つ購入しボトルに入れた。ボトルがいっぱいになるまで水を足す。これでCCDより多くのエネルギーと水分を飲んで補給することができる。
そこから20km会津田島までR121を行く。その間阿賀川に沿ってゆるいアップダウン。右ひざはどうしようもなく痛くなってしまった。踏み込めない。会津田島で総合スーパーを見つけそこの薬店で痛みをとる働きのある湿布薬を購入。右ひざに2枚貼る。だいぶ楽になった気がする。。。というかこうまですればこの状況でこれ以上できることもなく、がんばるしかないのだから走れるだろう、という目論見。けががひどくなったら困るな、、、ひざをいためると長引くみたいだし。。。でも気をつければこれ以上傷めないで走ることは可能なはず。時間的余裕はあるから、足をいたわる方に神経を集中しようと決める。
429.4km地点で左折。これで猪苗代湖一周が完結。さて今日二つ目の大きな登り、トンネルのあった山王峠だ。。。時刻は1125。。お昼近い。。。登りの途中のコンビニに停まる。少し眠けを感じた。
わかめのおにぎりと、今度はウィダーインゼリー・プロテインインを購入。昨日からたんぱく質をほとんど摂っていないから、ハンガーノックのときのように脚の筋肉が壊れてひざが痛いのかもしれないと考えたからだ。それと『眠眠打破』というカフェインドリンク。コンビニの前のたたきに足を投げ出して座った。壁に寄り掛かり数分でもいいので目を閉じる。。。薄目を開けて前の道を見ると、後続者が何人も通過していくのが見えた。「私の後にまだ大勢いたんだ。このまま行けばきっと大丈夫」と元気がでる。そしてもう一度、今度はしっかり目を閉じた。5分ほどそうしていただろうか。えいっ、と眠眠打破のキャップを開け一気に飲む。幸いあまりカフェインっぽくなかった。この効き目があるうちに峠を越えよう、と手早く再始動。後続は見えないが、マイペースのシッティングで標高850mに挑む。山王トンネルが見えた。やった~、峠をクリア! 下りはもうガシガシ踏むのはやめて、脚をいたわりながら転がり落ちることにした。
440.9km地点から日光・鬼怒川方面を目指す。昨日行きに通った道だから、だいたいのコース地形がわかる。五十里湖の手前と鬼怒川温泉の手前で少し登るはず。ひざを大切にして、遅くても負荷をかけない走りに徹した。
するとそのうちひどく股が痛み出した。普段より踏めない分、サドルに体重がかかってしまったらしい。しかも両手の親指と人指し指の間もハンドルに体重がかかったせいかこちらもひどく痛み出した。
第5チェックポイントに到着。買い物をしてレシートをもらう。もう何を食べていいかわからない感じ。でも、糖と炭水化物なら順調に消化しているので、これまでと同じように鮭のおにぎりとあんぱんを購入。気温が高いので飲み物も2ボトル切らせない。(実はこのほかにパックポケットの左側に入れたパワーバーを走りながら齧り続けている。私はパワーバー1枚あたり220kcalで約40km走れるので、補給の中心はどちらかというとパワーバーで計算して摂る。おにぎりはじわじわと持続するエネルギー源として。あんぱんは嗜好品です)
そこから5kmくらい走った今市市街の手前に大きなドラッグストアがあったので寄る。股擦れ用のクリームを購入しトイレで塗った。とりあえず股の痛みは解消。しかし、スーパーとドラッグストアでの買い物、コンビニでの仮眠で最後尾近くまで下がってしまったことが考えられた。焦るわけではないが、だんだん時間との闘いになってきた。
日光杉並木街道は快適。その前で一緒になった女性と、離れたりくっついたり。1時間くらい一緒に走っただろうか。楽しかったのだが、杉並木を抜けるととても気温が上がってしまった。私はだいたい2~3時間に一回の休憩をとることにしているので、コンビニに寄るからと声をかけ別れて止まった。日射しはきつく暑い。水はどんどんなくなる。汗は滝のよう。顔には塩の結晶が固まり、さわるとザラザラする。洗面所で顔を洗い流し、日焼け止めを塗り直した。こんなことでも気分転換になる。よ~し、がんばるぞという気持ちが湧いてくるのだ。

鹿沼市街を抜けて524kmが過ぎ、時刻は1500過ぎ。残り距離はあと84km。。。残り時間は8時間弱だ。脚がまともならまったく問題はない。しかし今は20km/hで巡航できるが、これから脚が傷めばペースは落ちるかもしれない。休憩時間を考えるとけっこうギリギリになるかも、と覚悟する。
夕方になり南風が出てきた。向かい風である。これは脚に堪えた。恐れていたとおり巡航速度は15km/h程度に落ちた。自転車が進まない。2時間たっても30kmしか行かれないのだ。
556.7km地点の第6チェックポイントにいたっては、閉鎖時間が気になってしまう始末。20時8分までにチェックを終えなければならない。「第6にスタッフがいたら、リタイアするって言おう。脚が本当に壊れたらまずいもの」とリタイアの決意をして走り続けた。考えてみるとこの区間が一人で一番辛かった。手と股とひざが痛い。自転車に乗って跨がっていることもつらい、漕ぐのもできない。もう下り基調のほぼ平坦な傾斜にまかせて転がっているだけだ。でも向かい風で漕がないと止まってしまう。
1800過ぎ第6チェックポイントに滑り込んだ。。。スタッフは居なかった。レシートチェックだ。時間的には電話してリタイアするほどではないと思われた。あと4時間半ある。残り51.7km。「556kmまで走って来たんだ。また600に挑戦するっていってもこの556kmはもったいないよなぁ~」とまるで598円の商品を握りしめて考え込んでいるような気だった。また私を抜いて行った人たちからの情報で私の後には少なくともあと5人は居るということがわかった。
「暗くなって涼しくなってきたから、もう補給休憩する必要はないだろう。パワーバーはまだ2本あるからエネルギーは足りる。平坦で10km/h出なくなったら考えよう」と方針を立て直し、ノンストップで走る決意をして出発。1830だった。