目指せ、自転車星人!

何歳までも自転車生活

アタック会津5 600kmブルベ

第6チェックポイントを出てすぐ、今朝鳳坂峠で一緒だった人がパンク修理をしていた。この人は600ブルベ4回目というベテランだ。鳳坂峠の頂上で停まり、後の私に手を振ってくれたのだ。それで私はかなり元気が出て峠をクリアでき、そのあとの下りを楽しく二人で走った。「ゆっくり行ってますから(あわてないで)」と声をかけ進んだ。
市街地になり風の影響は少ない。日没になりあたりは暗くなった。しかしクルマの交通量が多いR4、不安ということはない。嵐のようにクルマが通りすぎる利根川橋を渡ったらそのまま左へ。ここからの1.1kmが実は今回のブルベ最高の恐怖体験だった。。。

栗橋交差点でR4はR125に分岐する。分岐は当然左端からの流出になる。そこを踏めなくなった自転車で直進しなければならないのだ。大型トラックがクラクションの罵声を浴びせて追い抜いていく。いつもなら瞬間的に40km/hまで加速し、前のクルマに貼りついてクリアできるのだが、今日は無理。あまりの危険を感じて分岐の手前で私は路肩に止まった。今市あたりでも見かけた左足にテーピングをして私の前を走っていた人はなんとか先に行ってしまった。事故にならないでよかった。
自転車を降り、どうやってこの分岐をクリアするか考える。高架の下に降りてもいいが時間がかかりそう。5分くらいそうやって迷っているとクルマの切れ目ができた。よしっ、と自転車を押して10メートルほど駆ける。無事分岐の先の安全地帯に入れた。ふたたび自転車に跨がり進み出す。
もう本当に漕げない。36×21~24Tあたりでクルクル回しているだけだ。

しかしそれほど行かないうちにさっきのテーピングの人に追いついた。…いまのこの私が追いつけるということはこの人も脚が痛むんだろうな。。。「ひざが痛くて速く走れないんですが、いっしょに行っていいですか~?」と後から声をかけてみる。するとやはり、左ひざがとても痛くて踏めないそうだ。日光杉並木のゆるい下りで傷めてしまったという。ひざ痛軍団の結成である。「元気があるからって喜んで踏んじゃいけないんですね~」とかお互い反省点を挙げながら走る。けっこう楽しい。
4月25日雨の400kmはブレーキシューが下りでなくなりリタイアしたそうだ。あの豪雨氷点下ブルベに出ただけですごい! で今回はひざ痛か。なかなか困難な道を歩んできたのだなぁ、と感心する。ときたまはずみで右ひざが痛む。「いたたたた・・・」と口に出しながら、励まし合う。速度は15km/hくらい。
するとそのうち二人が追いついてきた。この二人はお尻が痛いそうだ。尻痛軍団との連合で走る。またそのうちパンク修理の終わった600km4回目の人も追いついてきた。だいぶ長い間一緒に走ったが、われわれひざ痛軍団の速度ではまだるっこしいだろう。
「速く走れないので先に行ってください」というと4回目の人はバキューンと行ってしまう。どこも痛くないのかな、すごいな。尻痛軍団は一刻も早く苦痛から解放されたほうがいいに決まっている。「脚は痛くないんでしょうからどうぞ行ってください」とうながすと二人であっという間にダンシングで見えなくなってしまった。。。
ひざ痛軍団は気がラクになり、全力でトロトロ走る。私のギアは平坦では36×24T、ちょっとした登りでも27T。。。こんな坂でインナーローだなんて、まるで初心者の時みたいだね、と笑い合う。
ゴールまであと5kmくらいのところで、ハブダイナモつきのママチャリが並んできた。遅いロードを珍しそうに見ている。くやしいけどこれが今の最高速度だ。するとこれ見よがしにダンシングまでされて千切られてしまった(笑) はああ~しょうがない。こんな日もあるさ。

そろそろ22時。タイムリミットまであと1時間。でも完走は堅い。よかった。
脚の痛みで眠くならずに済んだ。同じ話題の話し相手がいて痛みにあまり気を取られないで済んだ。
「痛いけどよかったですねぇ~」とお互いに感謝しあう。

ゴールの運動公園駐車場に着いた。2206完走。39時間6分の自転車旅行。
本当に「ありがとうございました」の一言だけ。

2日目 260.3km 1405m上昇 4502kcal(14時間32分走行)