目指せ、自転車星人!

何歳までも自転車生活

222BRM埼玉200km(3/3)

激坂を下りきった118.4km地点からいっしょになった人は、私より早い6時スタートだった。今日はこれまでいろいろあって遅れてしまっているそうだ。前を走ってくれるのだが、若干の向い風、24km/hくらいしか出ない。信号で停まるたびに完走までの見込みを検討し合う。その人は午後7時30分までにゴールしなければ失格だ。明るいうちにゴールしようと考えているみたいなので安全最優先、「暗くなっちゃうかもしれないから、そのつもりで走ったほうがいい」とアドバイスする。
そのうちオムライスの霊験も消費しきった感じ。ここまで温存してきたパワーバーを取り出し、ガシガシ齧りながら走る。食べたくなったらどんどん口に運んだ。その人と20kmくらいいっしょに走ったあとの登りで、後輪がつぶれかけているのに気づいた。登りが異様に重いのだ。接地面積が大きすぎると走行抵抗が増し、力をロスする。この人といっしょに行けば私はゴールできると思ったが、疲れてすぎてしまうのも避けたい。空気の少ない状態で走行すればリム打ちパンクのリスクも増大する。登り切ったところで停まり、彼を見送った。また小さなポンプを取り出し、今度は100回ポンピング。5BARくらい入っただろうか。指で押してもつぶれないくらいになったので、再スタート。
停まっていると追い越す人は「大丈夫ですか」と声をかけてくれる。助けてもらうほどのトラブルではないので「もうすぐ走り出せます」とか返事をして先に行ってもらう。『トラブルの際に自己完結できるサイクリスト』がブルベ参加の条件だから、当然なのだが。
またひとつ参加者イジメのような峠を越え、最後のレシートチェックポイント。水を買いクエン酸─を作り、空のボトルを水で満たした。
もうどんどん走るだけだ。しかしミスコースやボタンの押し忘れで、ハートレートモニターの距離表示がずれてしまっている。誤差を入れて、方向を変える際の計算をしていたが、いよいよわからなくなってしまった。運良くGPSを持った人に信号で追いついたので離されまいと必死についていく。もう一回ミスコースをしたら完走が危うい。
「え~、こんなところ~」というような路地をちょろちょろ入っていくのだが、これでいいそうだ。そうこうしているうちに、松郷峠の入口189.0km地点。同時に日没。午後5時35分。GPSの人は登りでどんどん行ってしまった。

私は一旦停まりライトの調整。後は常時点灯にし、前は二灯とも同じ地点を明るく照らすように角度を合わせた。暗いけど時折クルマが通る峠道。一人ぽっちだけどそんなに長くないことが行きに走ってわかっているので、がんばった。下りもコーナーごとに街路灯が整備されていたので危ないことはなかった。
峠を下ると県道。残り11kmは平坦。トラブルがなければ、制限時間の午後8時には十分間に合う。安全に気をつけて落ち着いて走ればいい。
最後、市街地に入ると赤いクルマから小旗を出して応援してくれる若者たちに追い越された。「ヤッホー」と応えたが、私が女性だからか、彼らのお母さんくらいだったからかわからないがかなりびっくりしていた(笑)
GPSの人はハンガーノックで失速している。「今日はお世話になりました」とお礼をいい後塵を浴びせた。パワーバーを食べまくって来ると、最後疲れた人をどんどん追い越せてしまう。
ゴール前の坂を駆け上がり、午後6時42分完走。ブルベカードに完走のサインを受け、所要時間を記入する。ブルベカードを提出して「認定=ブルベ」となる。
第1チェックポイントで話したグループのメンバーが集まっていたので話に加わり、お互いの健闘を讃えあった。私が筋肉痛にもならず、元気なのにみんな驚いたようだ。減量を始めた2008年6月以来7000kmは走り込んだろう。今日くらいの強度で走行していると、走りながらリカバリーできるようになっているみたいだ。しばらく立ち話をしていたが、走り終わったままの姿でいたので寒くなってきた。来月の300kmも走るという人がいたので再会を期して、会場をあとにした。