目指せ、自転車星人!

何歳までも自転車生活

400奥只見回想記1

プロローグ
 
4日(土) 千葉600喜多方をリタイヤして自走帰還
5日(日) フロントバッグからの給水システムのテスト
6日(月) 2年近く使ったマップケースの表面が傷つき、夜間見づらくなったのでコクヨのB5ソフトケース購入
7日(火) シールラインのマップケースを分解し、パーツを再利用。ミシンでコクヨのケースに縫い付けマップケース再生
8日(水) 内原で補給食とエネルギードリンク、疲労回復系ドリンクの調達
9日(木) 徹底的にコマ地図読みと書き込み。地図がいらなくなるまでルートを記憶。
 
5月の静岡400恵那は、累積標高が4200mで26時間かかった。今回は5000mだと主催者提供のプロフィールマップに書いてある。バイクは違うが一時間のマージンは容易に食いつぶすと確信。覚悟を決めなおさなければならない。
 
10日(金) 朝:コマ地図を切り貼りしラミネート加工。
自転車のメンテナンス。ライトの電池交換。クルマへの積み込み。
夕方:帰宅。シャワーを浴び、部屋を涼しくして横になる。気持ちが昂って眠れないがとにかく休む。
20:00 出発準備開始。昼間のうちにコマ地図の改訂版が出たが大きくは変わっていないので差分を旧版に書き込む。
21:50 クルマで出発。途中で夜食を買い、スタート3時間前の22:30頃車中で食べる。
23:50 宇都宮市営大谷駐車場(無料)に到着。ここは道路反対側にトイレと自販機があり便利。自転車をおろし組み立て。タイヤに空気を入れ、計器類と持ち物の最終チェック。駅などでのビバークのときには困るが、今回のルートは仮眠をとる余裕がないので銀色のエマージェンシーシートは置いていくことに。運転席に戻り目をつぶる。
11日(土) 0:50 自走開始。途中、田野交差点のセブンイレブンでスタート前の補給。
1:05 森林公園への登坂開始。真っ暗。こんな時間に一人でこんなところ走るなんてどうかしてると自嘲。
1:20 大駐車場に到着。誰もいないのかと思ったが、同時にスタートするKさんがクルマから出てきたので名乗り、あいさつ。Kさんはスタッフ試走初めてとのこと。トイレに行き、手早くドリンクを作る。スタート準備完了。
1:25 風のように試走のプロBさん到着。スタート5分前に着くなんてニクイ。試走参加費をBさんに渡す。私は「マイペースで行くのでPCでも私を待たないでいいですから」と二人の男性に切にお願いする。今日のような難ルートでは待たれるプレッシャーから解放されておかないと後半戦を乗り切れない。
1:30 Bさんが携帯で写真を撮り、スタート証明のため主催者メーリングリストに送信。電波状態が悪く送信に手間取る。スタート時刻を3分過ぎた。全員急いで自転車にまたがりスタート。
 
第1ステージ76.2km) PC1会津高原のリミットタイム6:34
 
私が先頭だが鶴カントリークラブへの登りは息を切らさないようにゆっくりいく。まだ元気だからか苦もなく頂上を越え、下りに。平坦になるとBさんが横に並んできて「走ってますか?」と聞く。「練習不足です。直近一カ月で600kmくらい」と返事。直近3カ月でも1000kmくらいなのだ。全然足りない。
3.1km地点の国道に出たところでBさんは「各自のペースで行きましょう。それでは!」と言ってくれた。ありがたい。男性2人は先行しすぐに見えなくなってしまったが、私は気楽に一人闇の中を走る。大谷から自走で数kmウォームアップしたとはいえ、台風が来たりで日曜以来5日間乗っていない。ここで飛ばすと先週の千葉600同様体の調子が出ないうちに終わってしまうので、とにかく100回転前後で脚を回して調子が上がるのを待つ。PC1手前の山王トンネル頂上までは登り基調だ。巡行速度は17km/h台だがあせったらダメ。耐えてクルクル脚を回しているうちに循環がよくなってきたのか30分おきくらいにトイレに行きたくなる。コンビニでスタート後二度目のトイレを済ますとようやくキター!体のつかえが取れたようにガツンとパワーが出る。巡航速度は24km/hにアップ(笑) ロングライドでの序盤の体調づくりがいかに大切か。
 
さてここからが本領発揮。今日はスタッフ試走というボランティア活動。走行データを本番の参加者に提供する任務がある。完走は譲れないが、持ち時間を最大限有効活用してルート沿いの施設探索を行いながら走るのである。自分もそうだが女性参加者にとってトイレ情報は死活問題であるので、各ステージ中間付近のコンビニや見つけたトイレにはとりあえず寄ってみる。
39.2km地点手前のセブンイレブン新藤原店のトイレはお客が落とした携帯電話が詰まりゴールデンウィーク以来修理されておらず使用不能のままだった。が、少し先の龍王峡パーキングのトイレはキレイで自販機もあった。そんなこんなで63.8km地点までに5回も小休止してしまった。
空も白んできたのでここからはノンストップ。鬼怒川温泉から会津田島までの区間は2009BRM612埼玉600アタック会津で走ったことがあるので距離感がわかっている。PC1で1時間程度の貯金を作りたい。せっせと登っていくと山王トンネルに達した。そこからはダウンヒル。5:39にPC1のココストアに飛び込んだ。リミットまで55分。先行した二人は休憩室で座って補給と仮眠中。私を待っていてくれたわけではないはずだが、こうしてPCで顔を合わせるとほっとする。今回のルートは携帯圏外が多くスタッフ間でのタイムリーな情報交換が難しいし、そもそも私は携帯を見る余裕すらない。休憩室の流しで水をもらってドリンクを補充し、おにぎりを食べる。トイレを済ませ約20分の最短ストップで6:00にスタート。(貯金34分)
Kさんはやや先行、余裕のBさんは出発準備中だった。
 
第2ステージ(63.9km) PC2尾瀬山の駅御池(みいけ)のリミットタイム10:50
 
会津高原を降りR352へ左折。ここから先は未知の世界だ。檜枝岐村を通り尾瀬御池へ向かう。最初の峠、中山トンネルに向かって登っているとほどなくBさんに追い越された。「気持ちいい気候ですね~」とさわやかに話しかけてくる。陽射しはあるが確かに秋の風だ。トンボもたくさん飛んでいる。しかし私は登りで十分暑くて何と答えていいかわからない。
中山トンネルを越えた下りで二つ目のスノーシェッドを出て明るくなると同時に工事中ダート区間。「ぎょえ~!こええ~~~。」 固められた土の部分を選んで下るがたまに大きめの砕石が散乱している。500mくらい生きた心地がしなかったが、日頃のオフロード訓練がものを言い押して下るほどではなかった。
R401と接している109.6km地点付近でトイレを探すが見つからず。檜枝岐村役場付近まで軽快なペースで登ると、道路わきの日陰で大の字になっているBさん発見。ビブショーツだけになり気持ちよさそうに仮眠中。「先行しますね」と声をかけるが返事はない。そこからすぐ先にトイレがあり用を足す。旅館の前で散水している女性に頼み、掛け水用のボトルを満たさせてもらった。
 
さて、ここからが今日の天王山か。第2ステージは登りゴールである。下りがないのでタイムを詰めることができない。プロフィールマップを検討するとPC2に時間内にたどり着けば、完走の可能性は50%を越えるのではないかと予想した。七入オートキャンプ場から先は斜度がきつくなる。あまりに辛いところでは何回か押して歩き脚を残した。たまに押し歩くのも気分転換になる。山頂に近づくと九十九折りだ。そこで前にいるとばかり思っていたKさんに追いつかれる。「休んでいたんですか?」と訊くと、さっきのダートの手前であまりにも眠くなり仮眠していたそうだ。私は休みなく走っているのに、男性二人は仮眠を取る余裕がある。まあでも今日はうさぎとかめみたいなことの繰り返しだろうと覚悟してきた。「それじゃ、またあとで」とKさんに先行してもらった。ほどなく元気なBさんにも追い越される。
沢水があちこちで勢いよく落ちている。ボトルが空になったので給水し、体にも浴びた。つづらのひとつ上でKさんも水を浴びながら小休止していた。しかしまたすぐ追い越され、そこからひとりで少々苦しんだが52分の貯金をもって9:58にPC2到着。
山の駅のテラスでBさんとKさんが補給休憩中。とりあえず水とアイスクリームを買ってレシートを確保する。Bさんが寒がってウィンドベストを着こんでいる。標高が高いので天気がよくても冷えるのだ。私も登りでかぶった水で体が冷えてきた。アイスクリームを食べたのをちょっと後悔。Kさんの提案で食堂に入った。Bさんは補給食を持っているから先行するといって出発した。食堂でKさんは大盛りカレーを注文。私はたくさんは食べられないので温かいおでんをいただく。トイレに行ったりでここでは35分ストップ。(つづく)