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何歳までも自転車生活

もてぎ100㎞サイクルマラソン(その4)

1月4日(木)午前8時42分

 

このもてぎ100㎞サイクルマラソンの規定は、「4時間(240分)以内に21周(×4.8km=100.8km)」だから11分程度で周回しないと完走できない。しかしこれは休憩を含まない計算なので、休憩を取る場合は10分で周回して走行時間210分というところか。それでもピットロードでの減速があるからぎりぎりということになる。しかも後半疲れてくると最初と同じペースでは走れなくなるし、大半がゴールしてコース上の人数が減る3時間以降は単独走行を強いられるのでさらにペースダウンする。完走のための理想は前半9分台、後半10分台で周回したいといえる。

 

私の一周目は11分台前半。元気のあるうちからこのペースでは休憩はまったくとれないのだが、3週目には体がすごく熱くなってしまった。早くウインドブレーカーを脱がないとオーバーヒートしてしまう。一分程度両手放しができれば平坦部分でウインドブレーカーを脱いでバックポケットにしまえるのだが、残念ながらその技術はない。とりあえず前のジッパーを半分開け、ジャージのジッパーも開け、アンダーウェアのジッパーも少し下げた。空気抵抗が大きくなる。

 

ここでようやく、ローラー台を使ったウォームアップの必要性に気づく。スタート前に心拍数を一度AT値(有酸素運動から無酸素運動領域に切り替わる心拍数:人によって異なる)まであげておくのはもちろんなのだが、体温を上げて大幅な衣類の調整を必要なくしておけば休憩要因が一つ減らせる。加えて、スタート前にバルムオイル類を使って足やお腹を中心に全身をマッサージし、体温低下を防いだり筋肉を保護したりしておけば、今日の天候(平均気温6℃、最高気温10℃)なら確実にウィンドブレーカーは必要なかったはずだ。(ウィンドブレーカーは後半必要なくなるとわかっていたのだから、スタート前が前半のつもりで準備すればよい)

 

寒い時期のレースは初めてだったが、このことは今後どのレースでも必要になってくるだろう。最初から前の集団についていくためには、ウォームアップは欠かせないのだから。

 

2周目の上りで先頭集団に抜かれた。先頭集団は7分台で周回している。その先頭集団に何人もの女子選手が混ざっているのを見て「わーすごい。がんばれ!」と心の中で叫ぶ。もちろんかなちゃんもしっかり入っている。さて、当初の計画では2時間過ぎに休憩に入るつもりだったのだが、私の体調はそこまで持たない。一回しか休憩しないんだったらいつ入っても同じだし、早く快適なコンディションにして後半もたせればいいと頭を切り換えた。

 

5周目が終わるところでピットに入った。トイレ。ウィンドブレーカー、ビーニー帽、オーバータイツを脱ぐ。アーモンド粉のたっぷり入った甘いケーキを一切れ詰め込む。エナジージェルも。ボトルの飲料を足し、いっぱいにする。約6分のピットストップ。この休憩で私はさらに一周ラップされたことになる。まーいい。今日はとにかく4時間足を回し続けることが大事。あと3時間。さあ続けて走ろう。

 

休憩後の6周目にベストラップ11分7秒をマーク。10周目からは12分台にずれ込んでいく。右ひざが痛くなってきた。ひざは心配だが、持たせるために全身の力をなるべく抜きラクにくるくる足を回すことに集中した。無駄な力が入っていると心拍も上がるし疲れるだけなのだ。集団が追い越していくとき、チームやSNSの仲間から声がかかる。あっというまにいなくなってしまうので会話は無理。「はいっ、ありがとうございます」と返事するのがやっとだ。

 

3時間経過した15周目からは13分台。残り6周。ひゃ~、絶対完走できない。3時間経過時点で18周目に入っていないと絶望的なのだ。でも心拍は平均161HRと安定している。上り坂も速度は上がらないが苦しくない。今日は走っていて楽しい。これからも練習して、速くても苦しくないレースができるようになっていけばいいんだ。

 

 

私の最終ラップになった。ピット脇で走り終わったチームのみんなが応援してくれる。「最後まで走ります!」と言葉を残し走り抜ける。電光計時板の表示は12時17分過ぎ。タイムアップの12時半まで12分少々。手元の表示は19周目を示している。困難だがせめて20周を記録して終わりたい。秒差での時間との戦いだ。

 

今日は補給と給水をきっちりしたので、ぎりぎりだがハンガーノックにも脱水ぎみにもなっていない。ひざは痛いが足の攣る気配もない。安心して回せる。しかし足に乳酸がたまって疲労している。よく回るのだがもう一つ重いギヤにできる力が残っていない。

 

最後のあがき、シケインをダンシングで抜けて、ホームストレートに躍り出る。無情にも電光計時板はチェッカーフラッグになっていた。ホームストレートも全力で走るが、結局コントロールライン通過に13分56秒かかってしまった。記録は19周。(もしかすると公式には18周)

 

あと3周。保険も含めてこの一年でもう3周速く走れるようになりたい。ケイデンス(ペダルが1分間に何回転したか)は平均81と満足のいく数値が残せた。来年はこのケイデンスで完走することが目標だ。(おわり)

 

 

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※完走できなかったにもかかわらず長い文章になってしまいました。最後まで読んでくださってありがとうございます。文中のギアチェンジのタイミングなど技術的なことはすべて現時点の私の考えですので、今後の修行中に別な意見がでてくるのではないかと思います。うまくいかなかった例ということで、私よりレース経験の浅い方の参考になればと細かい部分も書いてみました。

 

※レースの準備については、前日から水分と炭水化物を多めにとることがスタミナ持続のために大切だそうです。また途中の補給方法や内容は各自研究してみてください。(背中のポケットから取り出すのが難しい場合は、ハンドルステムに装着するパッグなども有効です) ボトルは落とすことがあるので、それぞれ半分しか入れなくてもいいから2本持つことが必要だそうです。

 

※補足等ありましたら、コメントを入れていただけると幸いです。よろしくお願いします。