目指せ、自転車星人!

何歳までも自転車生活

もてぎ100㎞サイクルマラソン(その3)

1月4日(木)午前8時30分 スタート。右ペダルを踏み込む。左のクリートがカチッとはまった。よし、幸先いいぞ。前の人に続き右曲がりの連続する第1、第2コーナーへ進入する。周囲はまだまだ人だらけ。コーナーを抜けるとゆるい下りのストレートが目の前に広がる。ああ今日も始まったんだ。スタート時のこの高揚感。私がレースをやめられない理由がここにもある。後続にどんどん抜かされるが気にしない。今日は誰よりも長く4時間めいっぱい楽しむんだから。 ツインリンクもてぎコース図 左曲がりの第3、第4コーナーを抜けると少し向かい風か。前の人にくっついて風をよける。こうするとペダルを回し続けなくても巡行できるので、足をためておける。右曲がりの第5コーナーを曲がると追い風。集団のスピードが上がる。フロントアウターギヤ50Tでリアは19-17-16Tと加速。最初の立体交差をくぐりスピードに乗る。第6コーナーの130Rはゆるい右曲がり。そしてすぐに登りが始まる。 坂を見ようと顔を上げると先頭が500メートルほど先、S字カーブの第8から第9のV字コーナーに向けてすばらしい勢いでざぁーっと登っているのが見えた。「みんなあの中にいるんだー、いつかきっと一緒に登ってやるぞ」と目標がまた一つ見つかる。 ツインリンクもてぎを時計回りした場合、この後半のだらだら登り坂は全体的にはゆるいのだが、最初の坂の後半に少し斜度がある。そこでギヤを思い切って落としていかないと、坂の途中の平坦手前で失速してしまう。速い人ならアウターのまま登れてしまうようだが、私はフロントをインナー36Tに落とす。それに備え、リアを15-14Tともう2段重くした。バイクを信頼しインナーに落とす。整備不足だと、ここでチェーンがインナーギヤの内側に脱落してしまう。そうした状態だと安心してフロントの変速ができなくなり、レース中にも関わらずためらいが生じる。そのようなことのないよう、フロントディレーラー(変速機)の調整は入念に行い、変速の練習も十分やっておこう。私の場合最初の坂でリアは14-15-16-17-19-21-23-25Tと素早く使い切る。でも今日の足は好調に回っている。 坂はS字左曲がりの第7コーナー、右曲がりの第8コーナーと続く。ここでも自分の足と相談して細かくリアを変速して失速しないようにすべきだが、今日は途中リタイヤしないため私は無理しない。第8コーナーを過ぎると少し平坦になりスピードが上げられる。ここでようやく25-23-21-19Tとシフトダウンし、左曲がりの第9、V字コーナーからの登りに備える。ヘアピンの第10コーナーまでの直線の登り。斜度は一定のようだが長いので後半だれてくる。19-21-23-25Tとここでも惜しまずリアを使い切る。 ヘアピンを抜けるとダウンヒルストレート中間点に向かって登りの斜度が緩くなる。力のある人はここですぐフロントをアウターに戻せるだろう。私はインナーのままリアを25-23-21-19-17Tと重くし加速。一瞬だが余裕のあるところでボトルを取り一口給水。ダウンヒルストレート中間の最高点を越えるとき、フロントをアウターに戻す。アウターに戻すときはラフに扱ってはいけない。ペダルをちょっと緩めるような感じでしっかりチェーンが戻ったことを確認し、踏み込んだ方がシフトトラブルが防げる。 右90度の第11コーナーに向かって一直線の下り。下ハンドルを持ち車体を安定させがんがん踏み込んでいく。16-15-14-13T、もう一速、せっかくスプロケット換えて来たんだから12Tが使いたい! でも心拍計を見ると速度は50km/hを越えている。下りの好きな私はノーブレーキで飛び込みたいが周りの人より進入速度が速く、しかも体重があり重力加速度が大きい分、90度コーナーで外にふくらんでしまう。安全優先。後、前とそっとブレーキング。最後は前ブレーキだけで車体を微調整しコーナーを抜ける。右に大きく傾く車体。ごおっという風と持ちこたえるタイヤの音。そしてアスファルトの突起一つひとつがくっきり見えるような研ぎ澄まされた感覚。さらに下りながらシケインに向けて鬼漕ぎ。最終コーナー手前は短いが8パーセントの登り坂。何人も抜きながらぐんぐん登る。リアを13-14-15-16-17-19Tと数秒置きに軽くしていきホームストレートに飛び出す。あー気持ちよかったー。 かなちゃんはダウンヒルストレートからシケインにかけてが、登りで苦しんだ「それまでのうっぷんを一気にはらす場所」だと書いていました。本当にその通りです。私も毎周回ここを楽しみに苦手な坂を登れる気になってしまいました。

 

ホームストレートに戻ると一息。コントロールラインを通過する前にもう一口給水。コントロールラインで心拍計のラップ計測ボタンを押す。計測チップで公式カウントはされているが、走行終了までの周回数確認は自己管理なので押し忘れると後で混乱してしまう。距離計でも100.8kmを越えたことで判断できるが疲れてくると残り周回数を間違いやすい。これはサーキットコースでのレースで慣れなければならない部分だ。 コントロールラインを過ぎ第2コーナーが終わるまでに、この周回で後につける集団か人を探す。平坦区間で人についていくことが今日の完走実現のカギなのだ。(その4につづく)