目指せ、自転車星人!

何歳までも自転車生活

アタック会津2 600kmブルベ

0950頃64.4km地点の第一チェックポイントに到着。 雨が上がった。これから少しは降るだろうが、晴れ傾向で気温があがる予報なので濡れて重くなった雨天装備を送り返してしまうことにした。コンビニのビニール袋で二重に包み発送。トイレで用を足し、おにぎりとあんパンと水を買う。レシートチェックポイントなので、もらったレシートは財布にしっかりはさみ、電池節約のため電源を切った携帯電話とともにシールパックに封じてバックポケットへ。アイウェアをリアバッグから取り出し着用。
東京のチームメイトのMHさんと会う。ひざが痛いそうだが大丈夫だろうか。スタート前の情報交換では行かれるところまで行くということだった。さっき健闘を誓いあって握手し別れた人と、途中で再会するというのはちょっと変な気持ち。それから300のとき一緒だった人を見つけて話をする。買った水でボトルの飲料を作って足し、1012再スタート。このあと雨がぱらっと降ったがすぐやんだ。

日光街道(R4)を離れてから28.5kmは登り基調の平坦。栃木市街で日光例幣使街道に入り、鹿沼市街を抜けて92.9km地点の御成橋を渡ると目に見える登りが始まった。
所々杉並木が残っている。さらに進むと別名『日光杉並木街道』と呼ばれる杉並木の道が続く。ずっとゆるい登りだ。しかし杉林に日射が遮られ涼しい。ときおり景色に目をやりながら数人の集団になり黙々と登っていく。
122.8km地点で杉並木を抜け今市市街を通過し、川治鬼怒川温泉方面のR121へ転針。日射しを遮るものがなくなり気温が25℃くらいまでぐっと上がった。
暑い中を辛抱して走っているうちに137.3kmの第二チェックポイントへ1340頃到着。走り出してから約7時間経過。しっかり食べよう。おにぎり2個と水1リットルを補給。ここもレシートチェックポイント。
しかしコース設計者のNさんが、クリップボードを持って待機してくれていた。到着した人の出走番号をチェックしている。「私の後にまだいますか?」と訊く。「あと5人はいるはず」という返事。よかった、まだ最後尾じゃない。休憩時間を最小限にするため急ぐ。チェーンにオイルを注している女性がいた。トイレ待ちで一緒になったので、チェーンオイルをもらえないか頼んでみた。すると快い返事。よかった。私のロードバイクは雨に長時間あたり、ドライ用のチェーンオイルが流れてしまっていた。ペダリングするとシャリシャリ音がするようになっていて気になっていたのだ。さっとチェーン一周注油する。お礼を言ってオイルを返却。次回からは自分で持参しなければ。
…ここは鬼怒川温泉街の真ん中。10年前に泊まりに来たことがある、とふと考えた。もう遠い昔のことになったが─。

1400出発。アップダウンが続き川治温泉街を抜ける。いよいよ今日最初の本格的な登り、川治ダム五十里湖・いかりこ)に上がるつづら折りが始まった。チェーンの音鳴りはやみ快調。彼女に感謝感謝。足が軽くサクサク登る。あまりラクなのであんパンを食べようとバックポケットから取り出した。袋の口は開けてあったのだが、なんのはずみか滑って袋から落としてしまった。あまりにもったいないし、ハンガーノックはいやなので戻って拾う。後続の人に抜かれるとき見られたが、路面がキレイなところだったので食べてしまおう。先行者の唾などがつかなかったことを祈るばかりだ(笑) あんパンのパワーで海抜720mまで登り切り五十里湖を臨んだ。
…ここには11年前と2年半前に来たなぁ。2年半前は真冬の雪上でマウンテンバイクに乗るためだった。とても懐かしい。

思い出の地にも止まらず五十里湖に沿って会津西街道(R121)を北上する。ゆるいけど長い登りが始まった。これが今日ふたつ大きく登ると聞いていたうちの一つ目だろう。36×21~27Tでこなしていく。峠の頂上にトンネルが見えた。山王トンネル、標高850mの峠だった。下りはゆるくカーブがない。ほぼノーブレーキのダウンヒルを楽しんだ。一緒だった人たちをこの下りで全部置いてきてしまい、また一人。飲み物が心細くなったので、自販機でスポーツドリンクを補充。それでもだれも追いついて来ない。うう~、寂しい。仕方ないので一人で191km地点のコンビニまで進んだ。ここから40kmはコンビニがないのでここで必ず食料補給を済ませるようにとブリーフィングで注意があった。何人も休憩している。時刻は1630。あと少しで日没だ。次のチェックポイントまで80km4時間。仮眠所まではそこからさらに77kmでやはり4時間。順調にいってもフロに入れるのは午前1時過ぎか。。。いやいや登りがあるし休みをとるから2時過ぎと考えないと、と楽観的な予測を打ち消し心をひきしめる。

はい、再スタート。今度はR400へ。すぐ登りです。これが二つ目の長い登りだろう。ずんずん登っていく。周りには数人いるので心強い。でもなんだか今日は私の登るのが速く、みんな遅れて見えなくなってしまった。パンクも一人いた。。。。標高970m舟鼻峠通過。時刻は1735。あたりは薄暗い。クルマが1台後に迫った。下りなのでしばらく先行していたが、短い直線で前に出てもらった。クルマの強力なライトを利用する作戦。10メートルくらい離れてカーペーサーになってもらう。あまり近づきすぎてプレッシャーを与えないようにして40~50km/hでついていく。クルマが先にコーナーに入ってくれるのでカーブ曲率がわかるし、前も明るくよく見える。自分のライトだけでは考えられない速度で下りきることができた。下りぎみの平坦になり道がまっすぐになるとクルマは先に行ってしまったが、手を振って感謝を表しお別れした。
クルマが居なくなると辺りは闇になった。集落以外では街灯はほとんどない。う~ん、こんなとき一人だと心細いな。。。と後悔。でもクルマと同じ速度で下ってしまったので当分誰も追いついて来ないだろう。あきらめて一人で進む。
そのとき素早い動きのものが自転車の前を横切った。「何かいる!」 こんなときは逃げるに限る。そいつは今度は右から自転車に迫ってきた。私の自転車に遠慮なく寄ってくる。よく見たら白猫であった。足の速いヤツである。一瞬轢いたかと思ったが前輪のあたりでさっと身を翻すと道路脇に消えて行った。
そんな塩梅でいくつかの集落を通りすぎて33.2km下るとようやく235.7km地点で只見川沿いに出た。ほどなく今日3度目の雨が降ってきた。今度のは本降りに近いようだ。。。